まちで出会ったら

○ワンポイント

☆まずは一声かけてから

「障害がある」「高齢である」といっても、体の状態は人それぞれです。

例えばひとくちに「車いすの方」といっても、自力では動かすことのできない人もいれば、ウィリー(!)ができる人もいます。

「こうしたらいいだろう」という想像でお手伝いするのではなく、まず、「何をお手伝いしたらよいですか?」というように、何を必要とされているかを聞いた上でお手伝いできるとよいですね。

○車いすのポイント

話をするときは、しゃがんだり横からのぞき込むなど、目線があう高さまで下がると良いです。

お手伝いするときは、どう動くかを前もって伝えましょう。「動きますよ」「左に曲がります」など先に伝えることが安全につながります。

ほんの少しの停止でも確実にブレーキをかけましょう。

方法は事前に確認しておくとよいですね。

 下り坂は、後ろ向きで、自分の体でスピードを抑えながら下りていきましょう。

前向きに下りると、乗っている人が転げてしまう恐れがあるからです。

横断歩道などで止まるとき、道路ぎりぎりの危険な位置に止まりがちです。車いすの前輪や足の部分の様子を見て止まるようにしましょう。

車いすは1~2センチ程度の小さな段差でも、勢いよくぶつかると乗っている人は簡単に転んでしまいます。

小さな段差や石などがないか、常に前方に注意して歩きましょう。

車いすは砂地・砂利道ではほとんど動けません。どうしても行かなければならない場合は、下り坂のときと同様に後ろ向きにし、引っ張るようにして動きましょう。

階段などで、車いすに人が乗ったままで持ち上げるとき、特に慣れた人がいない場合は、4人で持ち上げるのがベストです。4人で歩調を合わせて運びましょう。

車いすの向きは「上りは前向き」「下りは後ろ向き」が基本ですが、最終的には、本人に聞いてからにしましょう。

障害によってはトイレを我慢できない方もおられるので、車いすの方がトイレに行くことを希望されたら最優先で対応しましょう。

また、車いすの利用ができるトイレの場所、そこに至るまでの道順や段差、幅などを把握しておくとベストです(そのためのてくてくマップ&ブックです!)。

○目の不自由な方のポイント

目の不自由な方をどこかに案内する(手引きする)場合は、まず「ご案内しましょうか?」などと声をかけ、その方が慣れた手引きの方法を聞きましょう。

多くは肩や肘を軽く持ってもらうような形になると思います。

目の不自由な方の手引きをするときには、状況の変化を言葉で伝えるようにしましょう。例えば階段の前では「階段を下ります」と言ってから降りる、という具合ですね。ただし「あっち」「そっち」という言い方ではわかりません。

トイレについてですが、初めてのトイレで、同性の方がいない場合、便器の場所などを確認することが出来ないため使うことができません。こんなときは周囲の方で協力できるとよいですね。ティファニー美術館や松江駅などには、トイレ近くに触図があるので、図を触ってもらいながら、見える人が説明するという方法もあります。

盲導犬をつれている方を見た場合、ハーネス(手で持つところ)がついている場合は、その犬は「お仕事中」ですので、触ったり、口笛を吹いたり、食べ物を見せたりしないようにしましょうね。

ちなみに平成15年10月から『身体障害者補助犬法』ができ、民間も含めて、多くの人が集まるところでは盲導犬を含めた補助犬を受け入れていきましょうということになりました。

○耳の不自由な方のポイント

「耳が不自由」とひとくちに言っても、様々な方がいらっしゃいます。全く聞こえない人、少しは聞こえる人、高い音・低い音が聞こえにくい人などです。

それは補聴器をつけている場合も同じで、補聴器をつけると「音」があるのは分かるけど「言葉」まではわからない、という方もおられます。話し方については、聞こえる人と変わらないように話せる人もいれば、自分の言葉が聞こえないので、話すことが苦手な人もいます。

耳の不自由な人と話をするときには、相手の目を見ながら、できるだけ身ぶりや表情をつけて話すと、伝わりやすくなります。

声を出してしゃべるときには、口の動きがはっきり分かるように正面からゆっくり話をしましょう。口の形を見て言葉を理解される人もおられますし、少し聞こえる人ならば聞き取りやすくなります。

しかし例えば「たまご」「たばこ」などは口の形がよく似ているので、間違えてしまうことも多いなど、限界もあります。

また筆談をするときには、なるべく簡単で分かりやすい文章にすると、伝わりやすくなります(手話と日本語の文法や表現方法がちがうこともあり、長い文章になると意味をつかみにくくなる方もおられます)。

呼びかけるときは、後ろから話しかけられても分かりづらいことが多いので、見えるところまで行くか、軽く肩をたたくなどして呼びかけましょう。

また緊急の場合には、音だけで様子が知らされることも多いので、音以外の方法で伝えるようにするとよいでしょう。